~本当に開国したのは誰か?~


by toudaikaikoku
2005年度ティーチングアシスタント 金子きよ子

講座が終わってから随分長い間落ち込んでいました。TAとして何が悪かったから、チームが良い成果をだせなかったんだろうと。ただ、講座を受けていて心の底から楽しかった瞬間は、不思議と覚えていました。最終発表直前の一週間です。TAのくせにへたばっちゃって、重い足を引きずりながらミーティングに行ったら、Tさんが、ラウンジに泊まりこんで、事業計画作りをしていました。三日徹夜で作業をしていたんです。それを見たときの気持ち。なんとも言えなかったですね。

「この子はなんてかっこいいんだろう。」決して彼女が技術に詳しかったわけではありません。しかし、チームの誰より、「このチームは私のチームだ。このチームでやりきるんだ。」という覚悟をもって課題に取り組んでいるように見えました。

反対に、自分は一体なにをやっているんだろう。ガツンと頭を殴られたような気がしました。無心でやっていた時期もあったのにいつのまにか濁ってしまっていたんだな、って。 

これじゃいけないと最終発表前日に急に決まったヒアリングに、会社を急遽半休にして受講生に付き添っていけたことが、昨年の唯一楽しかった瞬間です。

けれども、良いこともありました。アントレに関わったおかげで、諦めていた夢を再び思い出すことができたことです。昔、みっともないくらい、一生懸命取り組んで、やっと見つけた夢。諦めてしまっていたのですが、TAとして、何もできず、足元が揺らぐくらいに落ち込んだ果てに、縺れた糸がほどけるように、蘇ってきました。

私は今、昨年同じチームだった受講生さんや他のチームの熱いTAの方々と一緒にこの講座を本にしようと動いています。本を作らないかと話がでたとき、「やるならチームでやりたい。」という思いがまずありました。昨年、優秀な受講生のみなさんが揃っていたのに、大した事業案を作れなかったのは、TAである私を含め「チーム力」を活かしきれなかったのだと思うんです。一人で出来ることは限られていますけど、お互い知恵を出し合って、一足す一を十にしていくことも出来ると思っています。

私は、一人でやるほうが得意で、人と作業を進めていくのは苦手です。しかし、夢に向かって進んでいくためには、自分の世界に閉じこもるのではなく、個を確立した上で、目的を共有する他者と何かを創り上げていくことが不可欠だと痛感しました。今まで、いつだって自分の限界に挑戦し、一生懸命やったとき、初めて自分の何が強みで何が弱みか見えてきました。また、目の前にある、乗り越えられない山と逃げずに向き合ったとき、初めて少しずつ自分が見えてきました。私の夢の山は高すぎて、すぐに挑戦する自信がもてない。だから、今、目の前にあるアントレ山を登りきり、少しでも自信をつけたい。しかし、そんなことより何より、このメンバーと本作りにチャレンジできていること、ぶっとんじゃうくらい、うれしい。そんな気持ちで今日、この場に来ています。

[出版社に対して書籍化を提案した際にまとめた原稿]
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# by toudaikaikoku | 2007-01-23 20:04

編集後記

「本つくりますっ。」

この講座のことを本にしてみないかと
お話をくださった柴田さんにこう返事をして
はや一年が経過しました。

なぜつくりたいのかも分からないまま、ただ

「今私のやることだ。」

というかすかな心のささやきをたよりに、
多くの方と一緒につくりあげてきました。

その過程でみなさんにきかせていただいた
お話一つ一つが、
かけがえのない大切な宝物です。

みんな、同じように悩みながらも、何かを求め、
自分らしく生きていこうとしていました。

そんなみなさんと気づきを共有するうち、
一つ、また一つと私の心を覆っていた
厚い扉が開いていきました。



「この授業は人の心の扉を開く授業だったのかな。」




ふとそんな気がして、
タイトルを東大開国授業としました。



今まで出逢ったすべての方々に感謝を込めて
編集後記とします。


ありがとうございました。
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# by toudaikaikoku | 2007-01-22 22:43